医療費削減に逆行している病院経営の限界

最近、急性期病院でも、特に回復期病院でも、PT,OT,STの人数を増やしています。

冷静に考えてみましょう。

本当にこの状況がいつまで続くでしょうか。

リハビリ入院が増えれば、在院日数は増加し、医療費の拡大につながります。

さらに、リハビリ入院には期間が定められており、回復期病院でリハビリをしたからといって、

在宅に帰られる方が増えるとは思えません。

病院でのリハビリは、所詮、病院でのリハビリなのです。

回復期病院には、顧客という考え方がありません。

先にも述べましたが、期間が限定されており、一定の期間だけしか関われないのです。

顧客は、こちら側が育てていくものなのです。

長い期間育てていくものなのです。

それによって、職員もお客さまも成長・発展していくのです。

回復期病院がダメな業態になっていくことは、

業種でいうと、銀行がダメな業態になっていることと似ています。

支店長クラスで2~3年、一般行員で3~5年で移動させられます。

景気が良く、お金を貸せる法人がたくさんあった時は、この仕組みでよかったと思います。

しかし、今のように景気が悪くなると、

事業性評価をし、中長期で法人の財務内容を分析しなければ、融資先はどんどん減っていきます。

でも、未だに、銀行は、移動が激しすぎて、未だに短期的な評価しかできないので、

融資先を拡大できずにいます。

最終的には、支店の数を減らして、行員の数を減らして、いわゆるリストラをする。

完全な負のスパイラルです。改善する見込みはいまのところ見当たりません。

話を戻し、病院経営の場合も同じようなことが言えます。

マーケット感覚を磨かずに、お客さまが来て、一定の期間リハビリをする。

お客さまを追跡することなく、リハビリを終了し、次の患者をリハビリする。

これの何が問題かというと、顧客が利益をもたらしてくれるという観点が抜けているのです。

短期的なお客さまではなく、顧客です。そして、win-winの関係を作ることで、

双方に信頼関係が生まれ、利益が生まれるのです。

2022年10月29日